「カジノ」ではどんな心理学が利用されている?

誰もが一攫千金を夢見て訪れる「カジノ」は、とても人気があり、中でも、米・ラスベガスのカジノには年間5,000万人近くの人が訪れます。しかし、ほとんどのプレイヤーがひとつのゲームにも勝てず、一文無しになるほど負けてしまうにもかかわらず、なぜ人々はゲームに夢中になり、カジノにお金を落とすのでしょうか?

カジノの人気の秘密は、その運営にあります。カジノの運営は、建物のレイアウト、ゲームマシン、内装、さらには香りなどを選ぶ際、特別な方法を使って人々により多くのお金を使ってもらうよう仕向けているのです。

ここで気づいた方もいるかと思いますが、ほとんどのカジノには時計がなく、窓も数か所しかありません。これは、プレイヤーが時間を忘れてゲームに集中するよう設計されているのです。カジノ建物内の照明や空気、温度などもコントロールされています。

人間が持つ「五感」がプレイヤーの判断に直接影響を与え、賭け金を上げるなど、より高いリスクをとらせるという研究結果もあります。

いずれにしても、カジノが「音環境」を積極的にモニタリングし、コントロールしていることは確かです。例えば、多くのギャンブル施設では、プレイヤーの気分を高揚させるために、ハイテンポな音楽を流しています。また、フロア内の誰かが勝っていることを知らせるために、勝利の音楽や鐘の音を使うこともあります。

人間というのは、他の人が勝っているのを見たり聞いたりすると、心理的な効果が生まれ、自分も同じように勝てると考えるようになります。この心理をカジノは利用しているのです。

また、「無料ドリンク」も忘れてはいけません。アルコールは自制力を低下させ、人々にリスクを取らせ、より多くのお金を使わせるからです。ほろ酔いのプレイヤーは、判断ミスをすることが予想されるため、結果的にカジノ側により多くの利益をもたらすことになります。

さらに、カジノフロアの「通路」は、まるで迷路のように設計されていて、まっすぐな通路はほとんどありません。機械やテーブルはゲストを誘導し、プレイを誘発するよう設置されています。

音楽だけでなく、「香り」も人間の行動に大きな影響を与えることは、数多くの研究で確認されています。そこでカジノはこれを利用し、香りのある環境作りをしています。例えば、スロットマシンの周りに香水を吹きかけたところ、そのマシンの収益が大幅に増加したそうです。

カジノで現金をほとんど見ないのは、人はお金を手放すことをためらうからです。多くのカジノで「チップ」を使用しているのはそのためです。調査によると、現金よりもクレジットカードで支払う方が、より大きな額を使うようです。

カジノゲームの中でも、スロットマシンの収益が最も高く、約80%といわれています。毎日、何百万ドルものお金がスロットマシンにつぎ込まれていますが、そうなるように設計されていると言わざるを得ません。一度スロットマシンで遊んだ人は、その中毒性からハマってしまい、その日ずっと遊び続けてくれる可能性が高いのです。

ただし、スロットマシンは、簡単に遊べてルールもあまりないがゆえ、これほど人気がありますが、最も勝率の低いゲームでもあるのです。

以上のとおり、人々はさまざまな理由でギャンブルをします。お金を稼ぎたい人もいれば、日常から抜け出し非日常を楽しみたいという人もいます。ギャンブルをする理由はどうあれ、カジノから逃がさないために仕掛けられた、高度な心理的トリックの餌食になるかもしれないことを肝に銘じておきましょう。